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黒いかたまり
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NANZUKA UNDERGROUNDでやってるインスタレーションを観てきた。
天井に巨大な黒い正六面体が刺さってるだけというもの。で? だから?
壁の裏で作業するギャラリー関係者の動作音や鼻をすする音のほうが気になる。
どうでもいいけどこんな誰でも考えつきそうな自己完結型妄想を実現させるために
はるばるNYからやって来る作家のそのバイタリティの方が気になった次第。

もっと言ってしまうと自己プロフィールのキャリア欄にこの展示の1行を加える
ためだけに、ろくに見物人も訪れず関係者が茶をすする音が響くような空間での
ひたすら膨大な無駄を行えるほどの「自分大好き加減」にうらやましさを感じる。
さらに言うと小さなクラブやライブハウスでのDJやバンドにも同様なものを感じる。
「表現」になる前段階の自己閉鎖型妄想につき合うほど苦痛なものはないが、
かといってセカチュー的な「コミュニケーションのネタとしての表現」はさらに
輪をかけて苦痛なので難しい。

もっと表現者は個人主義者になってもらいたいなとふと思った。個人主義とは
individualism、つまりこれ以上分けることが出来ない(in-divide)最小限の権利
という意味だ。たいていの人が個人主義と言ってるのはmeism(ミーイズム)という
名の利己主義という事実。individualistは全ての最小限の権利を守ろうとする。
つまり他人を尊重することなしでは自分の権利も成り立たないと考えるのだ。
個人主義という言葉をよく使い対話を拒否する似非表現者には注意したいものだ。

見分けるキーワードは黒いかたまりw
by skdob | 2007-02-09 15:20 | エッセイ・コラム
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